GDPにみる『日本の生産性』 |

中国に抜かれたとは言え、世界で第3位の経済力を誇るとされる日本。では、果たして、日本は本当に豊かな国なのでしょうか!?
今回は、GDP(国民総生産)と言う指標を使って、その点について検証して行きたいと思います。
今回は、GDP(国民総生産)と言う指標を使って、その点について検証して行きたいと思います。
《 目 次 》 |
☑️ GDP世界ランキング ベスト15 |
☑️ 一人当たりのGDP世界ランキング |
☑️ まとめ |
では、早速、GDP(国内総生産)の世界ランキングを見てみましょう。以下の表は、IMF(国際通貨基金)が発表した2018年度の統計です。
☑️ GDP世界ランキング ベスト15 |

IMF統計 2018年度GDP世界ランキング | |||
順位 | 国 | GDP |
|
1位 | ![]() |
米国 | 2,225兆円 |
2位 | ![]() |
中国 | 1,445兆円 |
3位 | ![]() |
日本 | 537兆円 |
4位 | ![]() |
ドイツ | 427兆円 |
5位 | ![]() |
英国 | 305兆円 |
6位 | ![]() |
フランス | 300兆円 |
7位 | ![]() |
インド | 293兆円 |
8位 | ![]() |
イタリア | 224兆円 |
9位 | ![]() |
ブラジル | 201兆円 |
10位 | ![]() |
韓国 | 186兆円 |
11位 | ![]() |
カナダ | 185兆円 |
12位 | ![]() |
ロシア | 179兆円 |
13位 | ![]() |
スペイン | 154兆円 |
14位 | ![]() |
オーストラリア | 153兆円 |
15位 | ![]() |
メキシコ | 132兆円 |
さぁ、どうでしょう!?この表から様々な感想を持つかと思いますが、何よりもまず目につくのは、米国と中国、すげぇ!って事ですよね。
日本は2009年までは世界第2位のGDPを誇る国だったわけですが、2010年に中国に抜かれてからのその差の開き具合は半端無いですね。残念!
日本は2009年までは世界第2位のGDPを誇る国だったわけですが、2010年に中国に抜かれてからのその差の開き具合は半端無いですね。残念!
参考までに、2009年度のGDP世界ランキングを見てみましょう。
IMF統計 2009年度GDP世界ランキング | |||
順位 | 国 | GDP |
|
1位 | ![]() |
米国 | 1,562兆円 |
2位 |
![]() |
日本 |
565兆円 |
3位 | ![]() |
中国 | 553兆円 |
4位 | ![]() |
ドイツ | 368兆円 |
5位 |
![]() |
フランス |
291兆円 |
6位 | ![]() |
英国 | 259兆円 |
7位 | ![]() |
イタリア | 236兆円 |
8位 | ![]() |
ブラジル | 180兆円 |
9位 |
![]() |
スペイン |
162兆円 |
10位 |
![]() |
カナダ |
148兆円 |
11位 |
![]() |
インド |
147兆円 |
12位 | ![]() |
ロシア | 141兆円 |
13位 | ![]() |
オーストラリア | 108兆円 |
14位 |
![]() |
韓国 |
102兆円 |
15位 | ![]() |
メキシコ | 97兆円 |
さぁ、如何でしょう。日本がまだGDPで世界第2位だった2009年、もはや懐かしいですね。
こうしてみると、10年前とトップ15の顔ぶれは変わらないんですね。ただ、順位の変動が起こっている。
そこで、次の表を見て下さい。
そこで、次の表を見て下さい。
IMF統計 GDP世界ランキング 2009→2018の推移 | ||||||
順位 2009 |
国 | GDP(2009) |
GDP(2018) |
GDP増減 |
順位 2018 |
|
1位 | ![]() |
米国 | 1,562兆円 | 2,225兆円 | ⬆️663兆円 |
1位 |
3位 | ![]() |
中国 | 553兆円 | 1,445兆円 | ⬆️892兆円 |
2位 |
2位 |
![]() |
日本 |
565兆円 |
537兆円 | ⬇️28兆円 |
3位 |
4位 | ![]() |
ドイツ | 368兆円 | 427兆円 | ⬆️59兆円 |
4位 |
6位 | ![]() |
英国 | 259兆円 | 305兆円 | ⬆️46兆円 |
5位 |
5位 |
![]() |
フランス |
291兆円 |
300兆円 | ⬆️9兆円 |
6位 |
11位 |
![]() |
インド |
147兆円 |
293兆円 | ⬆️146兆円 | 7位 |
7位 | ![]() |
イタリア | 236兆円 | 224兆円 | ⬇️12兆円 |
8位 |
8位 | ![]() |
ブラジル | 180兆円 | 201兆円 | ⬆️21兆円 | 9位 |
14位 |
![]() |
韓国 |
102兆円 |
186兆円 | ⬆️86兆円 |
10位 |
10位 |
![]() |
カナダ |
148兆円 |
185兆円 | ⬆️37兆円 |
11位 |
12位 | ![]() |
ロシア | 141兆円 | 179兆円 | ⬆️38兆円 |
12位 |
9位 |
![]() |
スペイン |
162兆円 |
154兆円 | ⬇️8兆円 |
13位 |
13位 | ![]() |
オーストラリア | 108兆円 | 153兆円 | ⬆️12兆円 |
14位 |
15位 | ![]() |
メキシコ | 97兆円 | 132兆円 | ⬆️35兆円 | 15位 |
さぁ、この表から何が見えて来るでしょうか!?
概して、以下の様な事が言えるのでは無いでしょうか!?
概して、以下の様な事が言えるのでは無いでしょうか!?
☑️ やっぱ米国凄い、そして、中国の伸びはもっと凄い!てか、この2国はやっぱ半端無い! |
☑️ インドや韓国も総合力を上げて来ている |
☑️ 15ヶ国中、13ヶ国は10年前よりもGDPの総数を上げ、成長の証を示している |
☑️ GDPの総数が落ちている、つまり国として後退しているのは3ヶ国だけ。日本、イタリア、スペイン |
☑️ 人口減少傾向を考えると、日本の将来は確実にこのまま下降線を辿って行く |
☑️ 一人当たりのGDP世界ランキング |

さて、これまでGDPの世界ランキングの推移から見えた世界の情勢を見て来ましたが、今度は、『一人当たりのGDP』と言う視点で見て行きたいと思います。つまり、GDPを人口で割った時、一人当たりの経済数値は、各国それぞれどれくらいなのか!?と言う事です。
これまた面白い結果が出ています。
それでは、見て行きましょう!
これまた面白い結果が出ています。
それでは、見て行きましょう!
IMF統計 2018年度一人当たりのGDP世界ランキング | |||||
順位 | 国・地域 | 一人当たりのGDP |
人口 | ||
1位 |
![]() |
ルクセンブルク |
1,249万円 |
61万人 |
169位 |
2位 |
![]() |
スイス |
900万円 |
859万人 |
100位 |
3位 |
![]() |
マカオ |
883万円 |
64万人 |
167位 |
4位 |
![]() |
ノルウェー |
881万円 |
537万人 |
119位 |
5位 |
![]() |
アイルランド |
846万円 |
488万人 |
124位 |
6位 |
![]() |
アイスランド |
805万円 |
33万人 |
180位 |
7位 |
![]() |
カタール |
760万円 |
283万人 | 141位 |
8位 |
![]() |
シンガポール |
698万円 |
580万人 |
114位 |
9位 | ![]() |
米国 | 679万円 | 3億2,906万 |
3位 |
10位 |
![]() |
デンマーク |
658万円 |
577万人 |
115位 |
11位 | ![]() |
オーストラリア | 610万円 | 2,520万 | 55位 |
18位 | ![]() |
ドイツ | 515万円 | 8,351万 | 17位 |
20位 | ![]() |
カナダ | 500万円 | 3,741万 | 39位 |
21位 | ![]() |
フランス | 464万円 | 6,513万 |
22位 |
22位 | ![]() |
英国 | 460万円 | 6,753万 | 21位 |
26位 | ![]() |
日本 | 424万円 | 1億2,686万 |
11位 |
27位 | ![]() |
イタリア | 371万円 | 6,055万 | 23位 |
28位 | ![]() |
韓国 | 360万円 | 5,122万 | 28位 |
32位 | ![]() |
スペイン | 332万円 | 4,673万 | 30位 |
65位 | ![]() |
ロシア | 122万円 | 1億4,587万 | 9位 |
71位 | ![]() |
メキシコ | 105万円 | 1億2,757万 | 10位 |
72位 | ![]() |
中国 | 103万円 | 14億3,378万 |
1位 |
77位 | ![]() |
ブラジル | 96万円 | 2億1,105万 | 6位 |
144位 | ![]() |
インド | 22万円 | 13億6,641万 | 2位 |
さぁ、如何でしょう。色々興味深い表ですね。先のテーマで取り扱ったのは、国のGDP、すなわち、『国の総合力』な訳ですが、今回のデータは、一人当たりのGDP、すなわち、『国の生産性の高さ』を表している訳です。言ってしまえば、一人当たりにして、如何にして効率良くお金を生み出しているか!?と言う事を表している訳です。
この表を見ていると、
・ルクセンブルクってどうしてそんな一人当たりのGDPが高いの!?
・1,000万円越えとか、凄過ぎ!
・上位には小国が多いけど、どうやって経済を発展させてるの!?
・700〜900万円とか、羨ましい!
・アジアナンバー1の『生産性』を誇るのは、日本でも中国でも韓国でもなく、シンガポールかぁ!
・GDPトップ15で、一人当たりのGDPランキングで10位以内に入って来るのは、唯一米国かぁ。しかも、上位では無く、9位。
などなど、色々興味が湧いて来ますが、ここでは、先のGDP上位トップ15ヶ国を一人当たりのGDPで見た時にはどうかと言う点に特に注視して行きたいと思います。
この表を見ていると、
・ルクセンブルクってどうしてそんな一人当たりのGDPが高いの!?
・1,000万円越えとか、凄過ぎ!
・上位には小国が多いけど、どうやって経済を発展させてるの!?
・700〜900万円とか、羨ましい!
・アジアナンバー1の『生産性』を誇るのは、日本でも中国でも韓国でもなく、シンガポールかぁ!
・GDPトップ15で、一人当たりのGDPランキングで10位以内に入って来るのは、唯一米国かぁ。しかも、上位では無く、9位。
などなど、色々興味が湧いて来ますが、ここでは、先のGDP上位トップ15ヶ国を一人当たりのGDPで見た時にはどうかと言う点に特に注視して行きたいと思います。
我が国日本は、GDPでは世界第3位ながらも、一人当たりのGDPでみると、世界第26位にまで後退して行きます。
すなわち、『国の生産性』と言う視点から見ると、決して上位にはいないと言う事です。
そう言う意味では、GDP世界第2位に躍り出た中国も、一人当たりのGDPではまだ世界第72位です。
すなわち、『国の生産性』と言う視点から見ると、決して上位にはいないと言う事です。
そう言う意味では、GDP世界第2位に躍り出た中国も、一人当たりのGDPではまだ世界第72位です。
参考までに、10年前、2009年の一人当たりのGDP世界ランキングとの推移も見て行きましょう。
IMF統計 一人当たりのGDP世界ランキング 2009→2018 |
|||||||
順位 2009 |
国・地域 | 一人当たりのGDP(2009) |
一人当たりのGDP(2018) | ⬆️⬇️ |
順位 2018 |
||
1位 |
![]() |
ルクセンブルク |
1,128万円 |
1,249万円 |
⬆️121万円 | ⬆️10.7% |
1位 |
3位 |
![]() |
スイス |
760万円 |
900万円 |
⬆️140万円 | ⬆️18.4% |
2位 |
20位 |
![]() |
マカオ |
428万円 |
883万円 |
⬆️455万円 |
⬆️106% |
3位 |
2位 |
![]() |
ノルウェー |
862万円 |
881万円 |
⬆️19万円 | ⬆️2% |
4位 |
8位 |
![]() |
アイルランド |
563万円 |
846万円 |
⬆️283万円 |
⬆️50.2% |
5位 |
17位 |
![]() |
アイスランド |
445万円 |
805万円 |
⬆️360万円 |
⬆️80.8% |
6位 |
5位 |
![]() |
カタール |
645万円 |
760万円 |
⬆️115万円 |
⬆️17.8% |
7位 |
21位 |
![]() |
シンガポール |
420万円 |
698万円 |
⬆️278万円 |
⬆️66.1% |
8位 |
11位 | ![]() |
米国 | 508万円 | 679万円 | ⬆️171万円 | ⬆️33.6% |
9位 |
6位 |
![]() |
デンマーク |
630万円 |
658万円 |
⬆️28万円 | ⬆️4.4% |
10位 |
13位 | ![]() |
オーストラリア | 493万円 | 610万円 | ⬆️117万円 |
⬆️23.7% |
11位 |
16位 | ![]() |
ドイツ | 457万円 | 515万円 | ⬆️58万円 |
⬆️12.6% |
18位 |
19位 | ![]() |
カナダ | 443万円 | 500万円 | ⬆️57万円 |
⬆️12.8% |
20位 |
15位 | ![]() |
フランス | 466万円 | 464万円 | ⬇️2万円 |
⬇️0.004% |
21位 |
22位 | ![]() |
英国 | 417万円 | 460万円 | ⬆️43万円 | ⬆️10.3% |
22位 |
18位 | ![]() |
日本 | 443万円 | 424万円 | ⬇️19万円 | ⬇️0.042% |
26位 |
23位 | ![]() |
イタリア | 398万円 | 371万円 | ⬇️27万円 |
⬇️0.067% |
27位 |
41位 | ![]() |
韓国 | 206万円 | 360万円 | ⬆️154万円 | ⬆️74.7% |
28位 |
25位 | ![]() |
スペイン | 350万円 | 332万円 | ⬇️18万円 | ⬇️0.051% |
32位 |
61位 | ![]() |
ロシア | 99万円 | 122万円 | ⬆️23万円 | ⬆️23.2% |
65位 |
69位 | ![]() |
メキシコ | 86万円 | 105万円 | ⬆️19万円 | ⬆️22% |
71位 |
105位 | ![]() |
中国 | 41万円 | 103万円 | ⬆️62万円 | ⬆️151.2% |
72位 |
63位 | ![]() |
ブラジル | 93万円 | 96万円 | ⬆️3万円 | ⬆️3.2% |
77位 |
153位 | ![]() |
インド | 12万円 | 22万円 | ⬆️10万円 | ⬆️83.3% |
144位 |
さぁ、沢山の表や数字を並べて来ましたが、これが最後です。お疲れ様でした。
以下、これらの表を下に、最後まとめに入ります。
以下、これらの表を下に、最後まとめに入ります。
☑️ まとめ |

☑️ 一人当たりのGDPランキングで上位国が10年前より着実に成長を遂げている中、日本は後退している |
☑️ 日本はGDPでは世界第3位だが、一人当たりのGDPで見た時には26位、『生産性』は決して高く無い |
☑️ 新興国の躍進、小国の生産性の高さは、今の日本には参考にならないかもしれないが、米国、ドイツ、オーストラリア、カナダ、英国等、大国でも着実に成長路線を維持している国はあるわけで、人口減少傾向にある日本は、『生産性』を高める努力をする事によって、成長性を高めて行くしかない |
いやぁ、改めて表をみると、日本より遥かに『生産性』が高い国が沢山あることが分かります。そして、それらの国は、更に成長し続けています。これだけ多くの国が着実に成長し続けている一方で、日本は数少ない後退の道に足を踏み入れている国となってしまっています。これは、日本が健全な状態に無いことを意味しています。長時間労働、勤勉に働く国民として名高い日本人は、実は賢く効率的にお金稼ぎが出来ていない国民だったのです。
その打開策のキーワードが、『生産性』です。
決して、更なる長時間労働をしようと言いたい訳ではありません。もっともっと働こうと言っている訳ではありません。今の仕事の質、内容、やり方を徹底的に検証し、無駄を排除し、不要なものを淘汰し、徹底的に『生産性』を高める努力をしようと言いたいのです。
『生産性』を高め、効率性を高める事によって、もっと自分自身の時間も増え、人生の豊かさも同時に手に入れる事になるでしょう。そう言う方向へ向けて、日本は突き進むべきなのです。
その打開策のキーワードが、『生産性』です。
決して、更なる長時間労働をしようと言いたい訳ではありません。もっともっと働こうと言っている訳ではありません。今の仕事の質、内容、やり方を徹底的に検証し、無駄を排除し、不要なものを淘汰し、徹底的に『生産性』を高める努力をしようと言いたいのです。
『生産性』を高め、効率性を高める事によって、もっと自分自身の時間も増え、人生の豊かさも同時に手に入れる事になるでしょう。そう言う方向へ向けて、日本は突き進むべきなのです。