連帯貢献金(Solidarity contribution)

連帯貢献金(Solidarity contribution)
 
前回、『育成費』に関して紹介しましたが、もう一つ、育成に関わるクラブにとって、抑えて置きたい仕組みがあります。それが、『連帯貢献金』と言う制度です。


詳しく見て行きましょう

《 目 次 》
 ① 『連帯貢献金』の概要・定義
 ② 『連帯貢献金』の詳細な仕組み
 ③ 具体的なケースをシュミレーションしてみよう
 ④ まとめ



 ① 『連帯貢献金』の概要・定義
 
連帯貢献金(Solidarity Contribution)』とは、FIFA(国際フットボール連盟)が制定したルールで、優秀な選手の育成に携わったクラブチームに報いる制度の一つで、以下の様に定義されています。
 
★ 『連帯貢献金(Solidarity Contribution)』は、選手が契約期間中に別のクラブに移籍する場合に発生する違約金(移籍金)の総額の5%に当たる額を、12〜23歳の12年間に育成に関わったクラブに分配する制度

 
 
✅『育成費』が12〜21歳の10年間に携わったクラブチームが取得権利があるのに対し、『連帯貢献金』は12〜23歳の12年間に携わったクラブチームが対象なので、よく混同しがちだから注意が必要だよ。
 
 
✅『連帯貢献金』が発生するのは、国をまたぐ異なるフットボール協会に所属するクラブへの移籍の際、つまり国際間移籍の場合に発生するのが原則。

但し、同じ国(協会)内での移籍であっても、育成に関わったクラブチームが国外(別の協会所属)の場合は、そのクラブチームに限って、『連帯貢献金』を取得する権利を持つよ。
 
 
✅『育成費』も発生する場合、『連帯貢献金』の中に『育成費』は含めないよ。
 
✅『連帯貢献金』の支払いは、当該フットボール協会に登録してから30日以内と義務付けられているね
 



 ② 『連帯貢献金』の詳細な仕組み
 
移籍先のクラブから移籍元へのクラブへ支払われる違約金(移籍金)。実際は、95%が支払われ、残りの5%が、『連帯貢献金』として、12〜23歳に所属したクラブへ支払われる。その分配率は以下の通り。
12歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 5%
13歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 5%
14歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 5%
15歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 5%
16歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
17歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
18歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
19歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
20歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
21歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
22歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%
23歳の誕生日を含むシーズンに所属したクラブ 10%



 ③ 具体的なケースをシュミレーションしてみよう
 
それでは、幾つかのケースを具体的に想定して見てみよう。分かりやすく、『育成費』の項で出て来たサンプルケースをそのまま引用して行きます。それによって、『育成費』と『連帯貢献金』がそれぞれ幾らなのかが分かります。
ケース①

12歳    浅羽FCジュニア

13〜15歳 浅羽FCジュニアユース

16〜18歳 FC川越南ユース

19〜21歳   FCバルセロナ(スペイン)(初めてのプロ契約) 

22歳〜   マンチェスター・シティ(イングランド)へ移籍
     (移籍金100億円

   マンチェスター・シティより、FCバルセロナに支払われる100億円の内、95%に当たる95億円がFCバルセロナに支払われ、残りの5%に当たる5億円が、育成に関わったクラブに分配される

→ 浅羽FCジュニア       2,500万円 (5億円の  5% x 1年在籍)

→ 浅羽FCジュニアユース   7,500万円 (5億円の  5% x 3年在籍)

→ FC川越南ユース   1億5,000万円 (5億円の10% x 3年在籍)

→ FCバルセロナ    1億5,000万円 (5億円の10% x 3年在籍)


ケース②

12歳    東京ヴェルディジュニア       

13〜15歳 東京ヴェルディジュニアユース

16〜18歳 東京ヴェルディユース

19〜22歳   レアル・サラゴサ(スペイン2部)(初のプロ契約)  

23歳〜  バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
     (移籍金20億円

   バイエルン・ミュンヘンがレアル・サラゴサに対して払う移籍金は20億円の95%に当たる19億円。残りの5%に当たる1億円は、以下の育成に携わったクラブチームに『連帯貢献金』としてそれぞれ分配される

   東京Vジュニア        500万円 (1億円の  5% x 1年在籍)

   東京Vジュニアユース 1,500万円 (1億円の  5% x 3年在籍)

     東京Vユース     3,000万円 (1億円の10% x 3年在籍)  

   レアル・サラゴサ    4,000万円 (1億円の10% x 4年在籍)


ケース③

12歳    柏レイソルジュニア             

13〜15歳 柏レイソルジュニアユース

16〜18歳 前橋育英高校サッカー部

19〜22歳 明治大学サッカー部

23〜26歳 ニュルンベルク(ドイツ2部)(初のプロ契約)

27歳〜  フランクフルト(ドイツ1部)
     (移籍金20億円)    

   フランクフルトからニュルンベルクへ支払われるのは移籍金20億円の内、95%に当たる19億円。残りの5%に当たる1億円は、『連帯貢献金』として育成に関わったクラブへ分配される

→ 柏レイソルジュニア       500万円 (1億円の  5% x 1年在籍)

→ 柏レイソルジュニアユース  1,500万円 (1億円の  5% x 3年在籍)

→ 前橋育英高校サッカー部  3,000万円 (1億円の10% x 3年在籍)

→ 明治大学サッカー部    4,000万円 (1億円の10% x 4年在籍)

→ ニュルンベルク       なし    (同国内の移籍の為)
 


ケース④

12歳    バオムFC川崎

13〜15歳 前橋FC ジュニアユース

16〜18歳 作陽高校サッカー部

19〜21歳   レバンテU.D. Bチーム(スペイン3部)(初のプロ契約)

22〜26歳 ビジャレアル(スペイン1部)

27歳〜   リバプール(イングランド1部)
     (移籍金40億円

 リバプールからビジャレアルに実際に支払われるのは、40億円の移籍金の内、95%に当たる38億円。残りの5%に当たる2億円は、以下の育成に携わったクラブチームに分配される。

→ バオムFC川崎       1,000万円 (2億円の  5% x 1年在籍)

→ 前橋FCジュニアユース    3,000万円 (2億円の  5% x 3年在籍)

→ 作陽高校サッカー部    6,000万円 (2億円の10% x 3年在籍)

→ レバンテU.D.       6,000万円 (2億円の10% x 3年在籍)

→ ビジャレアル        4,000万円 (2億円の10% x 2年対象)





 ④ まとめ
育成の世界には、『連帯貢献金』と言う成果報酬的に育成に携わったクラブチームが報われる制度がある
『連帯貢献金』は、移籍の5%分を、12〜23歳の12年間に携わったクラブに分配される
 
移籍金が発生するケース、つまり、契約期間がまだ残っているにもかかわらず、それでも他のクラブが移籍金(違約金)を払ってでも獲得したいと言う選手は、それだけ価値がある選手と言う事。『連帯貢献金』は、そうした価値ある選手を輩出、育成したクラブチームに報いる素晴らしいシステムだね。
 







 
『連帯貢献金』とセットで覚えて置きたいのが『育成費』だよ!







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サッカー業界の事、旅の事、読書の事などをつづって行きます。ベースは、未来を生き抜く為のヒント

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