『自分の中に毒を持て』 感想・レビュー

『自分の中に毒を持て』 感想・レビュー

 
今回取り上げる本は、岡本太郎さんの名著
『自分の中に毒を持て』です。
あなたは“常識人間”を捨てられるか
とても刺激的で、自分を奮い立たせる熱き一冊です。

《目 次》
 ① “日本が生んだ天才芸術家” 岡本太郎 人物像
 ②『自分の中に毒を持て』どんな人におすすめか!?
 ③ 本の中身を少しだけ抜粋、分かりやすく要約
 ④ まとめ



 ① “日本が生んだ天才芸術家” 岡本太郎 人物像

岡本 太郎・芸術家

1911年(明治44年)2月26日、神奈川県川崎市高津区二子に生まれる。
父は漫画家、母は歌人で小説家。母は大地主の娘だった事もあり、世間知らずのお嬢さん育ちで、家事や子育てが苦手、おまけに、家の中に愛人を住まわせる程の自由奔放人間だったと言う。
そんな母を、岡本は「母親としては最低」だったとするも、生涯敬愛し続けたと言う。

家族の渡航がきっかけで18歳からおよそ11年間をフランスで過ごす事になった岡本は、20歳の時に、家族が帰国。
その7年後に逝去した母親とは、この20歳でのパリでの見送りが今生の別れになった。
芸術への迷いが続いていた時、岡本に強い衝撃を与えたのは、パブロ・ピカソの作品だったと言う。

1940年、29歳の時、ドイツのパリ侵攻を機に、日本に帰国。
1942年には太平洋戦争下の軍備増強の為、帝国陸軍兵として中国戦線に出征している。
1945年、日本の降伏によって太平洋戦争が終結、岡本も同年に中国より帰国。

帰国後は、「絵画の石器時代は終わった。新しい芸術は岡本太郎から始まる」と言う宣言を発表し、以後、次々と斬新、先鋭的な芸術活動に邁進して行く。
1970年の大阪万国博覧会では、あの有名な代表作、太陽の塔を製作した。

1950年代からのテレビ草創期に岡本はバラエティ番組やクイズ番組など、数多くのテレビ出演を果たし、1987年にはNHKドラマにて俳優デビューも果たしている。
そうしたメディア活動の中で、流行語となった「芸術は爆発だ」「何だ、これは!?」などが生まれている。
晩年まで精力的に創作活動を続けていた岡本は、1996年1月7日、84歳でこの世を去った。

1998年 青山の岡本の住居兼アトリエが岡本太郎記念館として一般公開される
1999年 川崎市岡本太郎美術館 開館
2003年 岡本がメキシコで作成し、その後行方不明になっていた幻の超大作『明日の神話』が発見される
    (現在は渋谷区の渋谷マークシティ内の京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路に設置されている)

自分の中に毒を持て』(1993年)

 高度経済成長期の真っ只中、社会の姿に警鐘を唱え、生きる事に真正面からぶつかった岡本太郎の生き様、言動は多くの著名人・成功者にも影響を与え、時代を経た今でも、人々の心を揺さぶり続けている。


 ②『自分の中に毒を持て』どんな人におすすめか!?

 
例えば、
自分に忠実だと思っている人
2つの道で迷っている人
今の自分の仕事に疑問を感じている、転職を考えている、でも動き出せない人
何かに諦めてしまっている人、何をしていいか分からない若者
自分自身で決めた人生を生きているという実感が無い人

 ③ 本の中身を少しだけ抜粋、分かりやすく要約

自分に忠実だと思っている人 へ向けた言葉
・・・自分に忠実と称して狭い枠の中に自分を守って、カッコよく生きようとするのは、自分自身に甘えているに過ぎない。自分に忠実だなんて言う人に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。自分に忠実に生きたいなんて考えるのは、むしろいけない。そんな生き方は、安易で、甘えがある。本当に生きて行くためには、自分自身と闘わなければ駄目だ。
2つの道で迷っている人 へ向けた言葉
・・・誰だって、つい周囲の状況に甘えて生きて行く方が楽だから、厳しさを避けて楽な方の生き方をしようとする。本物の人生を歩むかどうかの境目はこの時だ。安易な生き方をしたい時は、そんな自分を敵だと思って闘うんだ。たとえ、結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。人生はそういう厳しさを持って生きるからこそ面白い。
今の自分の仕事に疑問を感じている、転職を考えている、でも動き出せない人 へ向けた言葉
・・・今勤めている会社を辞めたい、何か他にやることがあるんじゃ無いか、と考えている人は実に多い。だがそれは未知の道に踏み込むことだし、危険だ、と躊躇して迷いながら日々を過ごしている。内心では、もっと別な会社や、別な道に進みたい希望を持っているのに、踏み切れない。身の安全、将来を考えて仕方なく現在の状況に甘んじている人が驚くほど多いのだ。そういう人に言いたい。自分で悩んでいたってダメだ。くよくよしたってそれは少しも発展しない。だから決断を下すんだ。そのあとどうなるかなんて事を考えないで、とにかく自分の意思を貫くことだ。結果がうまく行こうが行くまいが構わない。むしろ、まずく行ったほうが面白いんだと考えて、自分の運命を賭けていけば、命がパッと開くじゃないか。何かを貫こうとしたら、体当たりする気持ちでぶつからなければダメだ。体当たりする前からきっとうまくいかないんじゃ無いかと自分で諦めてしまう。おろかなことだ。本当に生きるということは、自分で自分を崖から突き落とし、自分自身と闘って、運命を切り開いていくことなんだ。
何かに諦めてしまっている人・何をしていいか分からない若者 へ向けた言葉
・・・新人類などと呼ばれて、ファッショナブルに、軽く生きているような若者たち。だが意外に、ゾッとするほどウツロな顔を見せることがある。「何をしたらいいか、全然わからない。」自信もない、これだけは貫きたいという情熱もない。生活的にはまあまあ、ほどほどのものは持っているし・・・。若者に限らず、今こういうウツロな人間が多いのではないか。そんなあなたに提案する。自分はそういう人間だ。駄目なんだと平気でストレートに認める事。自分は気が弱いんだと思って、強くなろうとジタバタしない方がいい。諦めるんではなく、気が弱いんだと思ってしまうんだ。そうすれば何かしら、自分なりに積極的になれるものが出てくるかもしれない。つまらないものでも、自分が情熱を賭けて打ち込めば、それが生き甲斐だ。他人から見れば取るに足らないようなバカバカしいものでも、自分だけでシコシコと無条件にやりたくなるもの、情熱を傾けるものが見いだせれば、きっと目が輝いてくる。これは自己発見だ。生きていてよかったなと思うはずだ。
自分自身で決めた人生を生きているという実感が無い人 へ向けた言葉
・・・仮に親の顔色を伺って就職し、安定を選ぶとしようか。が、それが自分自身の人生なんだろうか。“俺は生きた!”と言える人生になるだろうか。そうじゃ無いだろう。そんな人生に責任を持てるだろうか。若者自身の本当の生きた人生には決してならない。自分自身の生きる筋は誰にも渡してはならないんだ。この気持ちを貫くべきだ。失敗したっていいじゃ無いか。大部分の人々が成功しないのが普通なんだ。しかし、挑戦した上での不成功者と、挑戦を避けたままの不成功者とでは全く天地の隔たりがある。挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束される。しかし、挑戦を避けたままの人間には、ただ成り行きに任せた虚しい人生しか待っていない。それに、人間にとって成功とは一体なんだろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、では無いだろうか。
 
如何でしょう!?これは、本の中のほんの極々一部に過ぎません。それでも、この僅かな抜粋だけで、十分にこの本のパワーの一旦を垣間見れるのでは無いでしょうか!?
 
他にも、岡本太郎自身を形容するこの本のキーワードを以下に挙げてみます。

幸福反対論者

行き詰まった方が面白い

自分自身にとって一番の障害であり、敵なのは、自分自身

成功は失敗のもと

社会や周囲の全部が否定的であればあるほど行動を起こせ

だが、やるなら、徹底的に

変われない社会に妥協するつもりはない

結婚という形式が好きじゃない

親子の間にも、人間と人間の対決がなければならない

芸術はきれいであってはいけない。うまくあってはいけない。心地よくあってはいけない。

芸術・経済・政治の三権分立を提言したい

人間は本来、無償、無目的に爆発し続けるべき

祭りは無償の歓喜、いのちの原点

己を殺す決意と情熱を持って危険に対面せよ

 
どうでしょう!?
これらの岡本太郎の価値観、興味深いですね!

 ④ まとめ

 
 岡本太郎が生きた時代、戦前、戦中、戦後、そして高度経済成長期の社会の実態は、今とは大分違っている事だろう。そういう意味では、そこから数十年が経過した今とは時代背景が異なり、書かれている事が現代にマッチしていない事もあるだろう。
 しかし、この本に表現されている事は、そうした時代を飛び越えた“人間のあり方”について、岡本太郎の叫び、情熱そのものだ。だからこそ、時を超えて、我々の心にも深く刺さり、様々な感慨を突きつけて来る。
 また、今や年功序列や、優良企業に就職すれば一生安泰という日本で長年信じられてきた“神話”が崩れつつある今日だからこそ、己を抑え、右に倣えの精神を重んじて来た日本へのアンチテーゼとして、岡本太郎の言葉が、今の人達にこそ、生きる指針を語りかけてくれているようにさえ感じる。
 
 
上に示した抜粋は、ほんの一例に過ぎません。興味がある方は、是非本書を手にとって読んでみて下さい。

 

 また、読む人によって、置かれた状況によって、また違った解釈、感じ方があると思います。是非、自分自身にとっての“”を見つけ出して、明日への糧にしてくれればと思います。

『自分の中に毒を持て』

岡本 太郎











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サッカー業界の事、旅の事、読書の事などをつづって行きます。ベースは、未来を生き抜く為のヒント

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